第3話

 

新たなる世界で

~第3話~

 

 

 

 

私たちの息子はとってもかわいらしく頭もよかった。魔力の適性も高くて魔力保有量も多いみたいですし・・
この子は必ず大物になりますね。しかしこの志朗さんの親バカっぷりはどうにかならないものでしょうか。普段はりりしくかっこいいのですがあの子を見ている間はそれはそれは顔が緩みっぱなしでほとんど・・・・・ハァ。
まぁこれからこの子に幸多からんことを。
(恵の翔平育児日記241ページ抜粋)
 
  
 
 
 
 
 
あれから数日たって
私は両親の死を目撃してからは涙が頬を流れっぱなしで頭の中が真っ白のまま意識を失ったらしく、そのまま他の救援隊の人たちに家まで運んでもらったと意識を取り戻したあと柴田のお婆さんにそのことを教えてもらった。
 
両親が死んでしまったのは私が退屈するのを嫌がり何か起こらないかと思ってしまったせいだろうか。たとえそうでなくとも両親が死んでしまったことは戻ることはない。
 
結局私が殺してしまったのだ・・・。
 
しかし私は逃げてはならないんだ、父と母は私に幸せになれと後悔しないように生きろといった。両親の死を背負い後悔しないように生きていこう、それが両親への最大の親孝行であり償いなのだから・・・。
 
 
 
そして私がそう決心をしてから周りは大忙しだった。
両親がなくなってしまった私は5歳であり一人では生活はできないだろうということでこれからの選択肢として(孤児院に行く)(柴田家に孫として引き取られる)(他の家に引き取られる)の3つが上げられた。
 
パーティーの人たちやお爺さんとお婆さんが引き取ろうかと申し出てくれたがこれ以上迷惑はかけられないので断って孤児院に行くことを決めた、しかし本当は両親から受け継いだ金田の苗字をなくしたくないというのが一番の理由だった。
このことにみんな反対をしないで了承してくれた。
 
それからは家や必要最低限の家具以外の物をすべて売りに出して孤児院に行く準備をしていた、その中でも父に言われた魔力のコントロールの練習は欠かすことはなかった。
これから二度と私の大切な人をなくさないように守れるようにするために。
 
 
「それじゃ、翔ちゃん準備はできたらセスタス孤児院に行こっか。」
「うん。」
「心配しなくてもいいからね。」
「大丈夫だよ、おばあちゃん。」
柴田のおばあちゃんがそう言って私の手をとってゆっくりと歩き出した。
 
これから行くセスタス孤児院はごく最近にできたものらしくまだ子供は私を含めて3人だけであり、そこの先生は若い女性とお婆ちゃんより少し若い女性の二人が経営をしているらしい。他の孤児院は子供が19人程で先生の数も多くて6人ほどなので私がはいることができないということだった。しかしほとんどの孤児院で男の先生というのは片手で足りる数しかいないらしい、それは子供たちの悪戯に男では対応しきれないということと子守りよりも騎士や探検者になるほうが裕福になれやすいからである。
 
その後町の中を30分ぐらい歩き一つの新築らしき大きい施設についた。二階建てで広さは庭含め普通の施設よりも広いぐらいだろうか。まだ建って間もないのだろう壁も真っ白で汚れがほとんど見当たらない。
 
そのまま入口についてお婆ちゃんは
「ここで少し待っていてね。」
と言って中に入って行った。
 
私はそのまま孤児院の周りを見渡したて歩き回っていると庭の砂場のところで二人の少女(幼女?)が遊んでいた。
一人は黒い髪を肩の上あたりまで伸ばした子でもう一人は背中のあたりまで伸ばしている、二人ともかわいらしい子だった。顔が似ているあたり姉妹なのだろう、私よりも幼く見える。
「(この子たちがここの子たちかな。)」
と見ていると二人のうち妹と思わしき髪の短い方の子がふとこちらに目を向けると
「ひっ!?」
怯えられた。
・・・・そんなに怖い顔だろうかと思っていると髪の長い姉と思わしき子がバッとこちらを振り向き、
「不審者ぁー。」
と言って走ってきて跳んで・・・
 
「グオッ!?」
腹をけられただと!?
そのまま私は後ろに吹き飛ばされ尻もちをついた形になる。
 
「あんた何者よ、不審者め。」
妹を背に隠しながらこちらを警戒して言った。
すると私の背後から
「どうしたの?」
と若い女性の声が聞こえた。
 
「由梨さん、ここに不審者が紛れ込んでます!!」
「あらあら~、この子は今日からここに新しく住む家族になる子ですよ~。」
「「えっ。」」
女の子二人がこちらを勢いよく振り向く。
・・・どうでもいいがあの女の先生の間延びした話し方はどうにかならないのだろうか嫌いではないのだが雰囲気が崩されてしまう。
 
「まぁここではなんですし中に入りましょう~。」
 
その言葉で私たちは中に入り広間に入ると大きいテーブルを囲むようにソファが並びそこにすでに二人座っていた。
 
全員が座り終えるとここの園長先生なのだろう人が優しそうな笑顔で
「初めまして、私がここの園長をしているミュール・セスタスと言います。みんなには園長先生と呼ばれています、これからよろしくね。」
と言うと、それぞれ
「私は御堂由梨と申します、よろしくおねがいしますね~。由梨と読んでくださいねぇ~。」
「私は海藤聖子よ、・・・さっきは蹴って悪かったわね。聖子って呼んでいいわよ。」
「わ、私は海藤良子ですぅ。お姉ちゃんの双子の妹ですぅ。えっと良子でよろしくお願いします。」
由梨さんやっぱりその間延びは雰囲気が緩くなりすぎです。
聖子は蹴ったことは気にしてないんだが、まぁいいか。
良子はそんなにおびえないでほしいのだがまだあったばかりだからしょうがないか。
「私は金田翔平だ、呼び方は何でもいい。これからよろしくお願いします。」
 
こうして私は新しい家族と出会ったのだ。
 
 
 
 
 
あとがき
 
どうもプニプニです。最近見てくださる方が増えてきているのでしょうかカウンターが大きく増えています。本当にうれしいことでお礼を申し上げます。
見てくださった方々にお願いがあります、どうか感想を書いていただきたいです。
よかったのか?どこをどのようにしたらよいのかなどを一言でもいいので書き込んでほしいのです。それを見て私も頑張って更新の励みにしますのでどうか応援ともどもよろしくお願いします。
 
それではまた次回に・・・

 

 

 

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