第一話

 

 

 

 
 

 

新たなる世界で

~第一話~

 

 

 
 
 
あれから数週間がたった、いや実際は二週間がたっただけなのだが大変な毎日に感覚が疲れて何日もたったように感じただけなのだが・・・
 
私こと翔平はこの世に生まれて驚きっぱなしであった、それは自分が転生というものを聞くことはあっても実際に体験したのはもちろんのこと、
ここが自分の元の世界ではなかったということだ。それがわかったのは目がハッキリと慣れて見えるようになり満足に動けるようになってからのことだった。
まず街並みや家具や文化レベルが自分の世界とはまるっきり違っていたということだ、現在のような 電気家具のようなものはなく中世のような街並みがあったのだ。
それなのになぜか名前は日本語読みなのだが・・・・
 
そしてもう一つここが違う世界だと理解できたのが一歳のころに自分の両親が魔法と呼ばれるものを扱っていたのをこの目で見てしまったからである。最初は見間違いかとも思ったけれどもいろいろな種類の魔法を見せられてしまっては否定できない。しかも初めて見る魔法に唖然としているとそれを父が喜んでいると勘違いして何度も私に魔法を見せてもくれた。
両親いわく私には魔法の才能があるらしい、何故かと考えていると父は私が何故と考えているのが分かっているかのように、
「翔ちゃんには魔法を使うための魔力がたくさんあるんでちゅよ~。」
 
............... 
..........
 
・・・一発だけでいい、思いっきり殴ってもいいだろうか。いや、殴ってもいいはずだ。
考えても見てほしい強面の男がだらしなく顔をゆるめながら赤ちゃん言葉を使って自分に向かって顔を近づけるのだから、例えこの世界での父とはいえどもいらつきは出てくるだろう。けれどもそれよりも自分に魔法の才能があるという情報が聞けただけでもこのいらつきを抑えることができるだけの価値があるというものだ。
 
それからは幼いながらも魔法に興味を持った子供だという様に両親の魔法を見続け、両親も魔法が好きなのだと理解してくれたのかよく暇な時にはみせてくれて、魔法などについていろいろおしえてくれた。
それによるとこの世界の魔法は漫画の様な攻撃に向いた魔法よりも生活に役立つ魔法に重点を置いて技術が発展しているそうだ。
 
言い忘れていたが父と母は傭探者という職業に就いているらしい。インターネットらしきものがあり、それを使って調べてみると元の世界とは違う点がたくさんわかった。
 
この世界には従来の職業はもちろん傭兵、騎士、探検者、魔獣使い(ビーストテイマー)等の魔法ならではの職業があった。
 
傭兵とはいわゆる何でも屋というものであり、傭兵を統括する傭兵ギルドから仕事を受けて仕事が完遂されてその仕事に見合った金額を受け取るものである。傭兵ギルドでは街中で意味なく暴動を起こすことを御法度としている。もし意味なく暴動を起こした場合はギルドの資格をはく奪された揚句に騎士につれていかれる。
 
騎士とはこの世界での王族(いわゆる天皇陛下と同じようなものだがこの世界ではもっと大きな存在であり城に住んでいるらしい。)を守るためにいるのが騎士である。
この世界の騎士は小説の様な自分の地位に溺れ傲慢にふるまう輩がいないらしい。それは騎士というものが町の住民に傲慢にふるまった場合や怠惰な生活を送った場合は監査役の元に住民の声や同僚の噂という形で耳に入るからである。
しかもこの監査役は住民や騎士の中に何人かが潜り込んでいて誰かわからないというので性質が悪く、代々の王の直轄であり例え監査だと気づいても買収することもできない。
 
これのおかげでこの街だけではなくこの国全土の治安がよく、人による問題があまり多くは起こらなくなっている。
話が逸れてしまったが騎士は魔法と武道の両方を修め、常に鍛練を損なうことのないものがなれる世界で一番人気のある職業である。
 
探検者は、まだ未開拓の森や土地や遺跡などを明らかにしようとする職業である。
探検者という職業は宝などを見つけた場合5割を国に納めて後は自分の懐に入ってくるので高給になる場合が多い。
 
この三つの職業の共通点であるものは魔獣から身を守るという役目である。
傭兵と騎士は住民を魔獣から守り、探検者は己の身を魔獣から守る。
そして魔獣を倒した後に残る魔晶石と呼ばれる魔力を持つ石で生計を立てている。魔獣の強さによって魔晶石の質も変わり値段も変わる。
 
しかし探検者は三つの中でも最も危険な職業である。それは未開拓の場所に行くのだから今まで誰の手にも荒らされずに魔獣達が弱肉強食の法の下に自分たちの世界を築き上げていったのでおのずと強い魔獣が育つことが少なくない。
 
魔獣とは魔力を持った獣が異常成長をおこし凶暴になってしまったり、異常成長を起こさずとも人に牙を向けるようになった獣の総称である。
また魔獣は元の獣からの異常成長でどのくらい大きくなったかによって強さが変わり、成長していくと独自の魔法を使い始めるものも出始める。
そして極稀に突然変異や異常成長を続けた結果ヒト型になるものがでることがある。ヒト型の魔獣は自我と理性を持ち大変強くなってしまい騎士や傭兵、探検者などの上位の者たちしか相手をすることができなくなる強大な存在になってしまった者たちである。
 
 
魔獣使いはそんな魔獣を手懐け契約を施して自分の力とするものである。魔獣使いと契約した魔獣は魔獣使いの力が成長して強力になるにつれて一緒に強くなっていく。
また上位の魔獣使いになるとヒト型の魔獣を扱える者もいるという。
 
最後に両親の傭探者とは簡単に傭兵と探検者がごっちゃになったもので、基本は探検者として働き仕事が入れば傭兵として働くものがほとんどであり、最近では片方だけで生計を立てることが難しくなってきているせいか傭探者が増えてきているようだ。
 
私はこの世界での新しいできごとに大人げなく子供のようにはしゃいでしまった。
実際は赤ちゃんなのだが・・・とっても恥ずかしいものである。
 
騎士のような厳格とした職業は性に合わないし、かといって魔法のある世界でつまらない生活を送るのはごめんだ。
両親のように傭探者になってみるのもいいかもしれない。退屈だけはしたくないなぁ。
 
 
この時私はこのようなことばかり思っていた、後に後悔するとも知らずに・・・
 
 
 
 
あとがき
 
読んでくださってありがとうございます。
ほとんど進まずに申し訳ありません。また文章の構成も甘いのを自覚しております。
アドバイスや感想をよろしくおねがいします。
これからもっともっと良くしていこうと思っていますので応援よろしくお願いします。
それでは次回に・・・・
 
 
 
 
 
 
 
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